紀州藩藩校儒者の妻、川合小梅がつけた「小梅日記」には夫や息子が黒船に備えて武具を調達し、武技を調練する日々を書き、「国単位の強制」が日常生活に入り込む様子を描いている。戦前昭和の町内隣組バケツリレー訓練、最近では北朝鮮ミサイル警戒のJアラート、直近では新型コロナ禍の緊急事態宣言と国レベルで私生活を律する対策が出るが、その始まりは黒船にある、と小梅日記から読み取れる。
和歌山城天守閣。市街地にそびえる。戦災で焼失し、1958(昭和33)年、鉄筋コンクリート造りで再建された=2020年12月27日、和歌山市小松原通3丁目から撮影 続きを読む →