Ⅲ部 建造 波頭045 Ⅲ部 建造 19 嫌われ者 2020年3月4日 「私は嫌われ者でした。みなさんの仕事ぶりをストップ・ウォッチで測る係でした」 筒井庄爾さんは呉海軍工廠の元工員たちに申し訳なさそうな顔付きで自己紹介した。 呉工廠砲熕部で時計をもって名人の仕事を記録した筒井庄爾さん=1994年4月23日、広島県呉市中央6丁目、呉市つばき会館で続きを読む →
Ⅲ部 建造 波頭044 Ⅲ部 建造 18 5分間 2020年2月9日 機先を制することである。戦艦大和の使命は「5分間の勝負」にある―大和で主砲の照準を定める方位盤の旋回手だった家田政六さんの話だ。① 戦艦大和の主砲が最大射程41.4㌔で射撃する時の模式図。敵艦は水平線の向こうに位置するので弾着の観測は艦載機に頼る=元戦艦大和砲術長隠沢兵三氏が1990年作成続きを読む →
Ⅲ部 建造 波頭043 Ⅲ部 建造 17 神の手 2020年1月6日 戦艦大和前部の1番砲塔、2番砲塔から3連装の砲身計6門が突き出ている。口径46cm、全長約21m、1門の重さ160㌧の巨砲が一斉に音もなく軽やかに上下、左右に砲口を振った。 「神の手だ」 戦艦大和姉妹艦、武蔵の1、2番主砲塔。1門160㌧の砲身は軽やかに動いた。1942(昭和17)年6月~7月、瀬戸内海西部の徳山・呉間で公式試運転中=福井静夫著・写真日本海軍全艦艇史上巻(ベストセラーズ1994年刊)続きを読む →