…1932(昭和7)年の前半、戦艦榛名(基準排水量29,330㌧)の砲塔を外して砲塔工場内に持ち込み、大改装した。改良した革パッキンを初めて使用した。最終試験の直前、組長が喜びにあふれた顔をして「主任!砲塔の漏水が全然ありません。来て見てください」という…
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波頭041
Ⅲ部 建造 15
漏水
…実にパッキンのために軍艦でも海軍工廠でも莫大な無駄をしていたのみならず、一方では戦闘力の低下という重大な影響さえ考えねばならぬ段階に来ていたのである。これが昭和6(1931)年春の実情であって、私は砲塔工場主任として日夜その責め苦にあえぎ、何とかしてパッキンを改善し、トラブルを一掃しなければならない、と自責の念に堪えないものがあった…①続きを読む →