上(のぼ)る鎮台(ちんだい)さんは 早(は)よ上(のぼ)らせて
またの下(くだ)りを オハラハー 待つがよい
(徴兵令で熊本鎮台に向かう兵隊さんは早く行って、帰ってくる日を待つがよい)
またの下(くだ)りを オハラハー 待つがよい
(徴兵令で熊本鎮台に向かう兵隊さんは早く行って、帰ってくる日を待つがよい)
鹿児島県三島村の黒島で開かれた三島村特攻平和祈念祭の締めくくりは夕方から大里ふるさとセンターである「はなむけの宴」。参加者を地元料理で持てなす。その最後に鹿児島おはら節の節回しで「のぼるチンダイさん」が歌われた。明治初期の徴兵令に対する民衆の気持ちを伝える内容で、黒島だけに伝わる。
私は2010年と2015年の2回、この宴に出席した。
並ぶ料理で目を引くのが三島村の三つの島の特産である大名タケノコ。細い小ぶりなタケノコだ。あくがなく、生で食べることができる。天ぷらにして出てくる。
壇上で大里小・中学校の児童生徒が自作の平和俳句を発表する。また、ジャンベという西アフリカの太鼓を演奏する。ジャンベ演奏は同校の伝統の行事となっている。
2008年公開の米映画「扉をたたく人」は、孤独感にさいなまれる大学教授がこの太鼓に出会い、新しい自分を見つけ出す、というストーリーだった。
不思議な太鼓だ。壇上で息の合う太鼓合奏のリズムを聞いていると、慰霊、追悼と過去に向き合ってきたこの日の出来事が、次の日に結ぶ気持ちがわいてきた。
小・中学生たちは、2010年時は15人いたが2015年の時は9人。俳句を読み上げ、太鼓をたたく様子のすべてに「まっすぐ」を感じた。
並ぶ料理で目を引くのが三島村の三つの島の特産である大名タケノコ。細い小ぶりなタケノコだ。あくがなく、生で食べることができる。天ぷらにして出てくる。
壇上で大里小・中学校の児童生徒が自作の平和俳句を発表する。また、ジャンベという西アフリカの太鼓を演奏する。ジャンベ演奏は同校の伝統の行事となっている。
2008年公開の米映画「扉をたたく人」は、孤独感にさいなまれる大学教授がこの太鼓に出会い、新しい自分を見つけ出す、というストーリーだった。
不思議な太鼓だ。壇上で息の合う太鼓合奏のリズムを聞いていると、慰霊、追悼と過去に向き合ってきたこの日の出来事が、次の日に結ぶ気持ちがわいてきた。
小・中学生たちは、2010年時は15人いたが2015年の時は9人。俳句を読み上げ、太鼓をたたく様子のすべてに「まっすぐ」を感じた。
そして「のぼるチンダイさん」。本来は「上る鎮台さん」と書くのだろう。2015年の時、三味線と太鼓がなり出すと、大山辰夫村長ら村職員がばねにはじかれたように起ち上がり、後についた。参加者が続き、輪になって踊りはじめた。
手振りは沖縄のカチャーシーとよく似ている。この島には平家の落人伝説が残るが、南西諸島の文化がここまでつながっているのか、と興味深かった。
手振りは沖縄のカチャーシーとよく似ている。この島には平家の落人伝説が残るが、南西諸島の文化がここまでつながっているのか、と興味深かった。
「波頭」内の文章、写真、図表、地図を筆者渡辺圭司の許可なく使用することを禁止します。
問い合わせ、ご指摘、ご意見はCONTACTよりお願いします。
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